現場ナビ工程は、建設業向けの工程表作成ソフトです。大手ゼネコンを中心に導入され、工程表の作成・修正から、書式調整やExcel出力まで対応しています。
本記事では、現場ナビ工程の機能や料金、メリット・注意点を整理し、他の工程管理ツールとの違いまで比較します。
現場ナビ工程とは?特徴を簡単に整理
現場ナビ工程は、株式会社構造ソフトが提供する建設業向けの工程表作成ソフトです。工程線の作成や日程変更、休日設定、印刷レイアウト、Excel出力など、工程表の作成・編集に必要な機能を備えています。
Windows PCにインストールして利用するソフトで、1台のPCで使う1PCライセンスのほか、複数のPCで利用できるネットワークライセンスも用意されています。
現場ナビ工程の基本情報・スペックを以下にまとめました。
現場ナビ工程の基本情報・スペック
| 対象規模(目安) | 小規模~中規模 |
|---|---|
| 対象工種 | 建設業向け(工程管理・工程表作成) |
| 提供形態 | インストール型(ダウンロード提供・ネット接続環境で利用) |
| 対応端末・OS | PC(Windows10/11) |
| サポート体制 | メール |
現場ナビ工程は、大林組や鹿島建設、戸田建設、飛島建設などのゼネコンをはじめ、設備工事会社などでも導入されています。構造ソフトの公表では導入企業数は500社以上で、複数のスーパーゼネコンでは全社標準ソフトとして採用されています。
製品の機能は、工程表の作成だけでなく、工程変更や休日設定、書式・印刷設定など、工程表を作成・修正しながら運用する業務を中心に構成されています。
現場ナビ工程の主な機能・できること
現場ナビ工程には、工程表の作成から日程変更、休日設定、書式調整、Excelへの出力まで、工程表を作成・運用するための機能が用意されています。
主な機能を整理すると、以下のとおりです。
| 主な機能 | できること |
|---|---|
| 工程表の作成 | マウス操作で工程の開始日・終了日を指定し、工程線を作成 |
| 工程の変更・調整 | 工程の移動や期間変更、前後につながる工程の日程調整 |
| 休日設定 | 曜日・日付などで休日を設定し、実働日数を工程に反映 |
| 工程表の表示 | バーチャート、ネットワーク工程などを組み合わせて表示 |
| 書式・レイアウト設定 | 表題欄、自由欄、管理工程欄、文字・図形などを設定 |
| 印刷設定 | 週間・月間など指定した期間を用紙に合わせて印刷 |
| Excel出力 | 工程表や工程名、開始日・終了日などの情報を.xlsx形式で出力 |
| データ活用・機能拡張 | オプション等によりCSV出力、歩掛を利用した工程作成などに対応 |
現場ナビ工程の主要機能を深掘り解説
現場ナビ工程にはさまざまな機能がありますが、なかでも工程の変更・調整や休日設定、書式設定、Excel出力は、実際の運用方法をイメージするうえで確認しておきたい機能です。ここでは、それぞれの機能を詳しく見ていきます。
①工程変更に合わせて後続工程を調整
現場ナビ工程では、作成した工程線の位置や開始日・終了日、実働日数を変更できます。マウスで工程線を移動・伸縮するほか、日付や実働日数を直接指定して変更することも可能です。
また、前後の工程を接続している場合は、前工程の実働日数を変更すると、接続された後続工程を連動して移動できます。たとえば、前工程を3日から5日に延長した場合、後続工程もその変更に合わせて後ろへ移動する仕組みです。
天候や作業の遅れなどで工程がずれた場合も、後続工程を一つずつ動かすのではなく、工程同士のつながりを保ったまま日程を組み直せます。

②休日・実働日数を工程表に反映
曜日や特定の日付を休日として設定し、休日を除いた実働日数で工程を管理できます。土日祝だけでなく、現場ごとの休工日などもカレンダーに設定可能です。

休日設定をあとから変更した場合は、設定した実働日数を維持するように工程線を調整できます。たとえば、工期の途中に休工日が追加された場合でも、実働日数を変えずに終了日を後ろへずらすといった調整が可能です。
工程表を作成したあとに休日や稼働日の変更が出ても、日数を数え直して工程線を引き直すのではなく、カレンダーの変更を工程に反映できます。

③工程表の書式・レイアウトを細かく設定
現場ナビ工程では、工程表の上部に「表題欄」、左右や下部に「自由欄」を配置できます。各欄には文字や線、図形のほか、会社ロゴなどの画像も挿入でき、用途に合わせてレイアウトを調整できます。
作成したレイアウトはパターンとして登録し、外部ファイルとして共有することも可能です。

会社で決まった工程表の書式がある場合や、現場・提出先によって記載内容を変えたい場合にも対応しやすい点はメリットです。
④Excel形式で工程表・工程情報を出力
現場ナビ工程で作成した工程表は、Excel(.xlsx)形式で出力できます。カレンダーや工程線を含めた工程表をExcel上で再現できるため、現場ナビ工程を導入していないJV会社や協力会社などへの共有にも利用できます。


また、工程名・工区・階・部位・開始日・終了日などの工程情報を、表形式で出力することも可能です。工程表を渡すだけでなく、出力したデータをExcel上で集計・加工するといった使い方もできます。
Excel出力は一方向で、Excel側で編集した内容を現場ナビ工程へ戻すことはできません。また、備考欄や出来高曲線など、一部の情報は出力対象外なので注意しましょう。
⑤オプション(現場ナビ工程+T)で工程作成・データ活用を拡張
工程管理機能を追加できるオプションソフト「現場ナビ工程+T」が用意されています。
標準の現場ナビ工程では工程線を引いて日程を設定しますが、+Tでは数量・歩掛・投入数などの情報から工程日数を算出できます。たとえば「数量÷歩掛÷投入数」といった計算をもとに必要な日数を出し、その結果を工程表へ反映できます。


このほか、工程を表形式でまとめて編集したり、工程情報をCSV形式で出力したりすることも可能です。複数現場のデータをExcelに集約して、人工の集計や計画に利用する方法もあります。
「工程線を引いて日程を決める」だけでなく、歩掛をもとに工程を組み立てたい場合や、複数現場の工程情報をまとめて扱いたい場合は、「現場ナビ工程+T」が選択肢になります。
現場ナビ工程の料金・ライセンス
現場ナビ工程には購入版・レンタル版など複数の料金プランがありますが、まず考えたいのは「1台のPCを共用するのか、それぞれのPCから使いたいのか」という点。
使い方によって、選択するライセンスと料金が変わります。
1台のPCを複数人で共用する場合
事務所などにある1台のPCを複数人が交代で使う場合は、「1PCレンタル版」で十分です。
料金:月額4,400円(税込)/1PC
1人につき1ライセンスではなく、指定した1台のPCで利用する契約です。そのため、工程表を扱うPCを1台に決めておけば、複数人で共用できます。
使用例:
5人の社員がいる事務所で、工程表の作成・修正は共用PCから行う
→ 1PCライセンス:月額4,400円
複数のPCから使う場合
現場監督や施工管理担当者が、各自所有のPCから現場ナビ工程を使いたい場合は、「ネットワークライセンス」を利用します。
ネットワークライセンスは、レンタルと購入から選択可能。
①レンタル:月額13,200円(税込)/ライセンス
②購入:「99,000円(税込)/ライセンス」+ 「年間使用料39,600円(税込)/ライセンス」
ここで覚えておきたいのが、ライセンス数はPCの台数ではなく「同時利用数」で決まることです。
使用例:
5人の現場監督が、それぞれのPCから利用する
→ 5台すべてにインストール
→ 同時に使う(ソフトを起動する)のは最大2人
→ 必要なのは2ライセンスのみ
この場合、レンタルなら月額26,400円、購入なら初年度277,200円(2年目以降は年間79,200円)となります。
なお、レンタル料金にはサポート費用が含まれ、購入版は年間利用料に保守・サポートが含まれています。
現場ナビ工程のメリット・比較検討時の注意点
現場ナビ工程には、大手ゼネコンでの導入実績や工程表の表現力などの強みがあります。一方で、工程管理の目的によっては他製品が合うケースも。ここでは、メリットと導入前にチェックしたい注意点を整理します。
大手ゼネコンを中心に導入実績がある


2022年4月 構造ソフト調べ
現場ナビ工程は、大林組や鹿島建設、戸田建設、飛島建設などのゼネコンをはじめ、設備工事会社などでも導入されています。導入企業数は500社以上で、複数のスーパーゼネコンでは全社標準ソフトとして採用されています。
工程表は会社や現場によって書式・運用方法が異なるため、大規模な組織で全社的に利用されている実績があることは、製品を比較するうえで一つの判断材料になります。また、元請けやJVなど取引先で現場ナビ工程が使われている場合は、同じソフトを利用することも選択肢になります。
※導入実績は株式会社構造ソフト公表資料をもとに記載(2026年9月確認)
工程表の「見せ方」を細かく作り込める
競合製品には、クリティカルパスや資源負荷の計算に踏み込んだ製品もあります。一方、現場ナビ工程は、工程表そのものに載せる情報や書式を細かく調整できる点に特徴があります。
ネットワーク工程とバーチャート工程を混在させるほか、安全管理・行事などの管理工程欄、出来高グラフ、サイクル工程表などを1枚に配置できます。
たとえば、社内会議用・現場掲示用・発注者への提出用など、相手に合わせて工程表に載せる情報を変えたい場合に使いやすいでしょう。
複数拠点・複数ユーザーでライセンスの共有が可能
現場ナビ工程のネットワークライセンスは、契約者が管理する本社・支店・現場事務所などのPCにインストールでき、契約ライセンス数の範囲で同時利用できます。
一般的なPC単位のライセンスとは違い、必要なライセンス数を「使うPCの台数」ではなく「同時に使う人数」で考えられるのがポイントです。
現場ごとにPCへインストールしておき、必要なときだけ各担当者が使うような運用なら、利用者全員分のライセンスを契約せずに済むケースがあります。
注意点:高度な工程計算・資源管理が目的なら他製品とも比較したい
現場ナビ工程は、工程表の作成・変更や書式設定を中心としたソフトです。出来高グラフなどは作成できますが、競合にはクリティカルパスの表示や資源負荷の山積み・山崩し、資源の自動平準化などを備えた工程管理ソフトもあります。
そのため、工程表を作成・共有するだけでなく、人員や資源の配分まで含めて工程計画を組みたい場合は、必要な機能を洗い出したうえで他製品とも比較した方がよいでしょう。
一方で、写真・図面・日報などもまとめて管理したい場合は、工程表専用ソフトではなく施工管理アプリも比較対象になります。
現場ナビ工程だけでなく、人気工程管理ツールもまとめて比較できます。おすすめ製品の資料に加えて、主要16製品の料金・機能・動作環境などをまとめた比較表も無料でダウンロードできます。
現場ナビ工程はどんな企業に向いている?
現場ナビ工程は、工程表の作成・修正を中心に使いたい企業や、社内・現場で使う工程表の書式を細かく整えたい企業と相性のよいソフトです。
ここでは、これまで見てきた機能や他製品との違いから、どのような企業・使い方に向いているかを整理します。
現場ナビ工程が向いている会社
工程表の書式や見せ方を細かく調整したい企業
ネットワーク工程とバーチャート工程を混在させるほか、管理工程欄や出来高グラフ、サイクル工程表、表題欄・自由欄などを配置できます。
特に、社内会議・現場掲示・発注者への提出など、用途によって工程表に載せる情報や書式を変えている企業はマッチする可能性が高いでしょう。
複数の現場・拠点で利用したい企業
ネットワークライセンスでは、本社・支店・現場事務所など複数のPCにインストールし、契約ライセンス数の範囲で同時利用できます。
たとえば、10人がそれぞれのPCから使う可能性はあるものの、実際に同時利用するのは2〜3人といった会社なら、利用者全員分ではなく同時利用数を基準にライセンスを契約できます。複数の現場や拠点で工程表を作成する企業は、ネットワークライセンスを含めて料金を比較しましょう。
元請け・JVなどとの工程表共有が多い企業
大手ゼネコンを中心に導入されており、複数のスーパーゼネコンでは全社標準ソフトとして採用されています。元請けやJVなど取引先が現場ナビ工程を利用している場合も、効果を実感しやすいでしょう。
また、現場ナビ工程を持っていない相手にはExcel形式で工程表を渡せるため、協力会社などを含めた共有方法も用意されています。
現場ナビ工程が向いていないケース
高度な工程計算・資源管理を重視したい
現場ナビ工程でも工程調整や歩掛を使った日数計算は可能ですが、競合にはクリティカルパスや資源負荷、山積み・山崩しなどに対応した製品もあります。
人員や資源の配分まで含めて工程を組みたい場合は、CADPERTや工程’s Orarioなども比較するとよいでしょう。
施工管理業務をまとめて管理したい
現場ナビ工程は工程表の作成・管理に軸を置いたソフトのため、写真・図面・日報などの管理は別のツールの併用が前提となります。
工程管理とあわせて現場情報も一つのツールにまとめたい場合は、工程機能を備えた施工管理アプリも比較してみましょう。
スマートフォンを中心に現場で使いたい
Windows PCにインストールして工程表を作成・編集するソフトになります。そのため、現場でスマートフォンから工程を確認・更新したり、関係者と手軽に共有したりする運用を重視する場合は、スマホ対応の工程管理アプリや施工管理アプリの方が向いているケースも。
無料体験版や、機能制限のない製品版の貸し出しも用意されています。実際の操作感や自社の工程表との相性を確認しながら、導入を検討してみましょう。
→ 現場ナビ工程の無料体験・公式サイトはこちら
現場ナビ工程の無料体験・導入方法
現場ナビ工程は、無料体験やデモで操作感を確認してから導入できます。体験方法によって利用できる機能が異なるため、導入までの流れとあわせて見ていきましょう。
まずは公式サイトから資料を確認できます。実際に操作して比較したい場合は、30日間の無料体験版も利用可能です。
ただし、体験版はExcel出力やテンプレートなど一部機能が使えません。自社の工程表をどこまで再現できるか確認したい場合は、機能制限のない製品版の貸し出しを利用してみましょう。
導入する場合は、利用するPCや人数に合わせてライセンスを選びます。
1台のPCを共用するなら1PC版、複数のPCから使うならネットワーク版が基本。ネットワーク版は「利用者数」ではなく、同時に使う人数を基準に必要なライセンス数を考えます。
利用するライセンスが決まったら、申し込み・導入へ進みます。
導入後は、無料の入門動画を利用できます。より詳しい操作方法を学びたい場合は、対面・オンラインの有料個別講習も用意されています。
現場ナビ工程と類似する工程管理ツールを比較
工程管理ができるツールでも、工程表作成に特化した製品と、写真・図面・原価管理などまで扱える施工管理ツールでは機能の範囲が異なります。
現場ナビ工程と代表的な工程管理ツールの違いを比較しました。
![]() ![]() 現場ナビ工程 | ![]() ![]() KANNA | ![]() ![]() サクミル | CADPERT | CostNavi 工程表 | |
| 製品タイプ | 工程表作成ソフト | 施工管理アプリ | 施工管理クラウド | 工程管理ソフト | 工程表作成ソフト |
| 工程表作成 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ネットワーク工程表 | ○ | - | - | ○ | ○ |
| 工程表の書式・レイアウト調整 | ○ | △ | △ | ○ | ○ |
| クリティカルパス・資源管理 | △ | - | - | ○ | △ |
| 写真・図面などの現場管理 | - | ○ | ○ | - | - |
| 見積・原価・請求管理 | - | - | ○ | – | - |
| スマホ・タブレット利用 | △ | ○ | ○ | - | - |
| 料金(税込) | 月額4,400円〜 | 月額0円~ ※プランによって変動 | 月額10,780円〜/20アカウント | 要問い合わせ | 月額4,400円〜 |
| 詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
現場ナビ工程やCostNavi工程表は、工程表の作成や書式調整を中心に使いたい現場と相性が良いでしょう。CADPERTはクリティカルパスや資源管理まで含めて工程を組みたい場合、KANNAやサクミルは工程管理だけでなく写真・図面・原価などもまとめて管理したい場合に比較対象になります。
まとめ
現場ナビ工程は、工程表の作成・修正や、書式・レイアウトの調整を中心に使える工程表作成ソフトです。大手ゼネコンを中心とした導入実績があり、複数のPCで利用できるネットワークライセンスも用意されています。
一方、資源管理まで含めた工程計画を重視するならCADPERTなど、写真・図面・原価管理までまとめたいならKANNAやサクミルなども比較対象になります。
無料体験や製品版の貸し出しもあるため、自社で作成している工程表をどこまで再現できるか確認したうえで、他製品と比較するとよいでしょう。















