現場が1つのうちは問題なく回っていた工程管理も、2現場、3現場と増えてくると一気に難易度は上がります。
現場ごとに工程表を作成しているものの、「全体の進捗が見えない」「人員や重機の重複が起きる」「変更の共有が追いつかない」といった課題を感じている方も多いのではないでしょうか。
特にエクセルで管理している場合、シートが増えるほど全体把握が難しく、関係者間での工程共有も煩雑になります。
複数現場が同時に動く企業では、個別の工程表だけでなく、全体を一覧で横断的に把握できる仕組みが必要になります。
本記事では、複数現場の工程表をどのように管理すべきかを整理し、効率化に役立つ工程管理ツールもあわせて紹介します。
工程表作成・工程管理アプリ選びでお悩みの方へ
工事現場の工程表作成・進捗管理に使える人気アプリの資料をまとめてダウンロードできます。
機能詳細や料金体系を比較できる16製品比較表(Excel)も無料プレゼント。
複数現場の工程表管理が難しい理由
複数現場が同時に動いてる会社では、工程管理は一気に複雑になります。主な理由は次のとおりです。
現場ごとに工程表が分断される
エクセルで管理している場合、1つのファイル内で現場ごとにシートタブを分けているケースが一般的です。
各現場の進捗は確認できますが、全体を一覧で比較するのには不向きです。管理者はタブを切り替えながら状況を確認することになり、全体の状況を把握するまでに時間がかかります。
人員や資機材の重複が起きやすい
複数の現場で同じ職人や協力会社、資機材を共有している場合、工程変更があるとスケジュールが衝突しやすくなります。
全体を一覧で把握できていないと、調整に時間がかかり、結果として工程の遅れにつながることもあります。
工程変更の共有が煩雑に
工程変更のたびにエクセルを修正し、関係者へ再送する運用では、「どのファイルが最新版か分からない」「古い工程表をもとに段取りしてしまう」といった混乱が起こりがち。
確認の電話やチャットが増え、本来不要な調整作業が発生してしまうことは珍しくありません。
複数現場の工程表はどう作成・管理するべき?
前提として、複数現場の工程管理では、会社全体として無駄なく回せている状態が理想となります。
- 全現場の進捗を一目で俯瞰できる
- 人員や協力会社の稼働状況を横断で把握できる
- 工程変更が即座に全体へ反映される
- 常に最新版が共有されている
複数現場の工程管理を効率化するには、こうした状態を目指すことが重要です。
方法としては、大きく分けて2つです。
- 一覧シートを作り横断的に管理する(エクセルの応用)
- クラウド型工程管理ツールの活用
どちらにも特徴と向き不向きがあり、自社の現場数や体制に応じて選択することが重要です。
①一覧シートを作り横断的に管理する(エクセルの応用)
3〜4現場以内であれば、エクセルを応用した横断管理で対応できるケースもあります。
各現場ごとに工程表を作成しつつ、全体を俯瞰できる「一覧シート(マスターシート)」を用意する方法です。
各シートを同一フォーマットに統一し、日付や進捗状況を関数で一覧に集約すれば、タブを切り替えずに全体の動きを確認できます。
条件付き書式で遅延工程を色分けしたり、ピボットテーブルで案件別の状況を整理したりすることで、一定の横断管理は可能です。
さらに、マクロやVBAを活用して自動集計するケースもあります。
実際、同時に動く現場数が限られていて、管理者が常に全体を把握できる規模であれば、エクセルによる横断管理で十分に運用できている企業もあります。
フォーマットを統一し、運用ルールを徹底できれば、大きな問題なく回っているケースも少なくありません。
②クラウド型工程管理ツールの活用
現場数が増え、横断管理の負荷が高まる場合は、クラウド型の工程管理ツールを活用する方法があります。
エクセルのようにファイル単位で管理するのではなく、データを一元管理する点が大きな違いです。
例えば、
- 複数現場の工程を一覧表示できる
- 工程変更が即時反映される
- 人員や協力会社の稼働状況を横断で把握できる
- 常に最新版が共有される
といった運用が可能になります。
一方で、月額費用が発生する点や、社内での運用ルール整備が必要になる点は考慮しておく必要があります。
それでも、常時3〜4現場以上を並行して進めている企業では、管理負荷の軽減につながりやすい方法です。
エクセル管理とクラウド型ツールの違い
| ①エクセル応用 | ②クラウド型ツール | |
|---|---|---|
| 導入コスト | 低い | 月額費用あり |
| 導入ハードル | 低い | やや高い(選定工数がかかる) |
| 横断管理 | 工夫すれば可能 | 可能 |
| リアルタイム共有 | 制限あり | 可能 |
| 属人化リスク | 高い | 低い |
| 向いている規模 | 2〜3現場程度 | 3〜4現場以上 |
| 管理体制 | 担当者中心 | 組織で運用 |
実際、現場数が限られており、管理者が常に全体を把握できる規模であれば、エクセルによる横断管理で十分に運用できている企業もあります。
フォーマットを統一し、運用ルールを徹底できれば、大きな問題なく回っているケースも少なくありません。
複数現場の工程管理に使えるツール
比較表で整理した通り、複数現場の工程管理においては「一覧で把握できるか」「変更が即時反映されるか」といった点が重要になります。
ここでは、複数現場の管理に対応しやすい代表的な工程管理ツールを3つ紹介します。それぞれ特徴や向いている企業規模が異なるため、自社にフィットしそうなツールがどれか確認してみてください。
KANNA


| 主な機能 | 工程管理、案件一覧、写真共有、チャット、帳票作成 |
|---|---|
| 複数案件管理 | リスト・ボード・カレンダー表示対応 |
| 工程表 | ガントチャート対応 |
| 対応端末 | PC・スマートフォン・タブレット |
| 月額 | 0円~ |
| 初期費用 | 0円 |
| 無料トライアル | あり(14日間) |
KANNAは、初期費用・月額0円~利用できる施工管理アプリで、常にレビュー高評価を獲得しています。(2026年3月時点、Appstore★4.3)
案件一覧・案件ボード・案件カレンダーといった表示形式を備え、複数現場を横断して管理可能です。
現場を案件として登録し進捗を更新すると、一覧やカレンダー上に即時反映されるため、常に最新状況を俯瞰できます。
工程表(ガントチャート)は、テンプレートから作成でき、ドラッグ&ドロップで直感的に調整可能。変更内容はクラウド上で共有されます。
また、担当者ごとに案件を絞り込んで表示できるため、「誰がどの現場に入っているか」といった横断確認もしやすい設計です。
- 常時3〜5現場以上を並行している
- 元請として全体の進捗を把握する必要がある
- 工程・写真・チャットを一元化したい
- エクセル管理から段階的に移行したい
- 無料で始められるツールを探している
サクミル


| 主な機能 | 案件管理、工程/スケジュール、写真管理、ファイル管理、作業日報、見積/請求、原価管理 など |
|---|---|
| 複数案件管理 | 案件単位で情報一元化/ステータス管理/スケジュールで横断確認 |
| 工程表 | 案件ごとの工程・日程を登録し、変更をリアルタイム反映(カレンダーで俯瞰) |
| 対応端末 | PC・スマートフォン・タブレット |
| 月額 | 月額9,800円(30アカウント込み) |
| 初期費用 | 0円 |
| 無料トライアル | あり(2ヶ月無料・自動課金なし) |
サクミルは、建設業向けに案件情報とスケジュールを一箇所に集約できる管理ツール。シンプルな操作感で、40~60代の職人でも無理なく使えるアプリです。
案件ごとに図面・写真・見積・日報などの関連データを紐づけて管理できるため、「情報を探す手間」や「担当者依存」を減らしやすい設計です。
スケジュール面では、案件ごとの工程や日程変更をリアルタイムに反映し、関係者間で同じ予定を共有できます。担当者の紐づけや、(用途によっては)車両・備品などの予約管理も想定されており、複数現場で起こりがちな“日程の重複”や“手配漏れ”を防ぐ運用に向いています。
月額9,800円/30IDは、建設系の有料ツールでは最安水準。自動更新なしの2ヶ月トライアルも活用して、自社にフィットするか確認してみましょう。
- 現場数が増えてきて、案件情報・資料が散らばっている
- まずは案件ごとの情報集約と共有から整えたい
- 協力会社や担当者の引き継ぎを含め、属人化を減らしたい
- 低コストで、まず試してみたい(自動更新なしの無料トライアル2ヶ月)
ダンドリワーク


| 主な機能 | 工程表(ガントチャート)、横断工程表、カレンダー式工程表、職人別工程表、写真共有、掲示板、受発注 など |
|---|---|
| 複数案件管理 | 横断工程表で全現場を一括表示 |
| 工程表 | ガントチャート/カレンダー形式切替対応 |
| 対応端末 | PC・スマートフォン・タブレット |
| 月額 | 要問い合わせ |
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | あり(期間は要問い合わせ) |
ダンドリワークは、工程管理を軸に複数現場を横断できる施工管理アプリです。工程機能は特に充実、強みとなる機能をまとめました。
■横断工程表(全体工程表)
各現場で作成した工程表は、自動的に「横断工程表」に集約されます。全現場の工程状況をガントチャート形式で一括表示できるため、エクセルでの集約作業は不要です。
■カレンダー式工程表
短期現場やリフォームなどでは、カレンダー形式での表示が可能。1週間単位の予定や午前/午後の担当者まで視覚的に確認できます。
■マイルストーン設定
重要工程をマイルストーンとして設定できるため、中長期現場の進行管理にも対応しやすい設計です。
■職人別工程表
担当者ごとの表示が可能。「誰が・どの現場に・いつ入っているか」を横断で確認できます。
工程変更はリアルタイム反映され、関係者への共有も即時に行われます。工程を中心に複数現場を整理したい会社と相性が良いツールです。
- 工程管理を最優先で改善したい
- 全現場の工程を横断で把握したい
- 職人の重複や調整を可視化したい
- エクセルのガントチャート運用から脱却したい
まとめ
複数現場の工程管理では、
- 全体を横断して俯瞰できること
- 人員やスケジュールの重複を防げること
- 工程変更が即時共有されること
が重要です。
2〜3現場程度であればエクセル運用も可能ですが、
現場数が増えるほど横断管理の負担は大きくなります。
その場合は、クラウド型ツールの活用を検討することで、管理工数を大きく削減できる可能性があります。
さらに詳しく比較したい方へ
本記事では代表的な3製品を紹介しましたが、実際には16製品を調査し、30項目以上で比較した資料を作成・配布しています。
- 横断工程表の有無
- 職人別表示の可否
- 料金体系
- 写真・チャット機能の充実度
- 無料トライアルの有無
などを一覧で確認できます。
複数現場管理に本格的に取り組みたい方は、ぜひ比較資料も参考にしてください。









